大理石は主に熱によって再結晶した粗粒の方解石から構成される。 その他の副成分鉱物として、石墨、苦灰石、石英、赤鉄鉱、緑泥石、角閃石類などを含むことがある。 それらの副成分鉱物の色によって赤褐色、褐色、黒色、灰色、緑色などの色を帯びた大理石になる。 方解石以外の鉱物の量、特に珪酸塩鉱物の量が多くなると、スカルンと呼ばれるようになる。
大理石中の方解石を再結晶させる熱源は火成岩の貫入によるものであることが多く、大理石は代表的な接触変成岩の1つであるとされる。 再結晶度の低い大理石は、原岩の石灰岩に含まれていた化石の形状を保っているものがある。
見た目の美しく均質な大理石が多産する場合は、石材や彫刻材として利用される。 特に大理石は高級石材の1種として有名である。
また、大理石は石灰岩と同様に炭酸カルシウム原料として採掘される。 炭酸カルシウムの資源としては変成度の高低は関係なく、炭酸カルシウムの純度だけが重要で、石灰岩も大理石も同じように鉱石として扱われる。 セメント、製鉄などに特に重要である。 その他、化学工業に必要な炭酸カルシウムとして石灰岩は重要である。