藍晶石はアルミニウム、ケイ素、酸素からなる。藍晶石の結晶のへき開は完全。多くの場合平板状や柱状の結晶で産する。硬度5.5, 比重3.67。
藍晶石の色は青色、青緑色、水色、白色、灰色などが基本だが、黄色、淡赤色、緑色、灰緑色などのものがある。石墨などの他の鉱物の包有物(インクリュージョン)を多量に含むことで黒色に見える藍晶石が産することもある。
藍晶石は化学組成はAl2O3(コランダム)とSiO2(石英など)を足し合わせた組成にあたり、アルミニウムに富む泥岩などの堆積岩の変成によってできるものがほとんどである。
藍晶石と同じ組成で違う結晶構造を持つ鉱物(同質異像、多形)として紅柱石、珪線石があり、それらの安定領域の境界は地殻内の温度・圧力条件の範囲にあるため、藍晶石を含めてこの3種の鉱物変成岩の変成度を示す指標となる鉱物として重要である。
藍晶石は紅柱石や珪線石よりも高圧の条件で形成される。泥岩などが変成してできた結晶片岩や片麻岩(準片麻岩)、エクロジャイト、またはそのような変成岩に伴って生じるSタイプ花崗岩などの中に生じる。あるいは、それらの岩石中に発達した石英脈やペグマタイト脈に石英、白雲母、黒雲母などを伴って産することが多い。
花崗岩中の藍晶石ー石英脈。画像約15cm。Loc. Mica Creek, British Columbia, Canada
藍晶石の工業的な利用価値はほとんど無い。美しい青色の結晶で産する藍晶石は、しばしば研磨されて宝飾品に利用される事がある。
宝飾品として利用されるカイヤナイト(藍晶石) via amazon associate.